心のケア入門ー支えることのための心理学

本講座は、2023年5月に開講された全5回のオンライン講座「心のケア入門ー支えることのための心理学」のアーカイブです。
心のケアとは何か、いかにすれば心を支えることができるのか。これを考えるために、すこしだけフシギなたとえを使いましょう。晴れの日にはケアはありふれているけど、雨の日にはケアはきわめて難しくなってしまう。ここから出発したいと思います。
心のケアは普段は当たり前に交わされています。私たちは家族や同僚、友人との間でケアしたり、されたりしながら、日々を暮らしています。晴れの日にはケアはありふれている。みんながみんなをケアをしている。だけど、ときどきケアはうまくいかなくなります。相手のことがわからなくなったり、相手からわかられなくなったりしたときです。ケアするつもりが傷つけてしまい、ケアしてほしいのに傷つけられてしまう。そういう危機のときに、私たちは「心のケアとは何か」と考えざるを得なくなる。これが雨の日です。
相手のことが「わかる」ときにはケアは自然になされるけど、「わからなくなる」とケアは途端に難しくなってしまう。晴れの日には素人同士でケアは十分にうまくいくのだけど、雨の日にはどうしても専門知が必要になる。「わからない」を「わかる」に変える必要があるからです。
この講義では、心のケアの基礎を学ぶために、臨床心理学・精神分析・医療人類学の中核部分を5回にわたってお話ししていきます。「どういうときにケアは失敗するのか」「何がわかればケアはうまくいくのか」「わかったとして、何をするとケアになるのか」「人は何に傷つき、何に癒されるのか」そしてそもそも「心とは何か」。これらの問いを仕事として心のケアをしている専門家の方々、あるいは家族や同僚、友人などの身内の心のケアをしている方々と共に考えてみたいと思います。心のケア、このふしぎなるものの世界へ、ようこそ。
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